レジンの輝きに広がる無限の可能性
エリック・デュバリ(以下 デュバリ):初めまして、suzu先生。初対面の方にこんなことを言っていいかわかりませんが、素敵な笑顔ですね。とても嬉しい気持ちになります。
sound. suzu(以下 suzu):いえいえ、ありがとうございます。私も今日この時間をいただけたことが幸せです。どうぞよろしくお願いします。
デュバリ:さっそくですが、作品についてお話をお伺いしたいと思います。suzu先生はレジンを用いて絵を制作されていらっしゃいますね。
suzu:そうですね、私はレジンアートもやっているんですが、普段の活動はアクセサリーの制作がメインになっています。絵画については、まだ日々勉強させていただいているような形ですね。
デュバリ:しかし絵は、内側から溢れ出てくる気持ちのままにやるだけでも十分素晴らしいと思いますよ。
suzu:ありがとうございます。そう言っていただけると、これからも頑張ろうという気持ちになれます。
デュバリ:それでは、今回の作品「水滴」について教えていただいてもいいでしょうか。
suzu:はい、レジンは透明感があるので、水の表現に向いています。空から舞い降りた雨粒が地上の水たまりにあたり、再度空へ舞い上がったその一瞬の世界を切り抜いたものです。黒猫のシルエットは、何かがここから始まる予感をイメージしたものです。
デュバリ:美しいストーリーですね。これから始まる物語とのことですが、私はこのレジンの球体の中に、夢が詰まっているように見えます。しかしなぜ猫なのでしょうか?
suzu:私が猫好きだからですね。自分とつながりのある存在として、物語の象徴のように用いています。特に黒猫には、未知の力やパワーを感じるんです。
デュバリ:実は私も黒という色には思い入れがあります。黒には、色々なものを包み込むような温かさがあると思うんですよ。ところでsuzu先生は、どのようなきっかけでレジンによる創作活動を始められたのですか?
suzu:子供の頃から飴玉が大好きだったんです。あの透明な輝きへの愛着から、ガラスやレジンなどの透明感のあるものに惹かれるようになっていきました。そんな折に、手芸屋さんでレジンに初めて出会って、だんだんとのめり込んでいったんですね。
デュバリ:確かに透明性を扱った素材というのは、とても面白いですね。
suzu:そうですね、それにレジンは形を変化させられるだけでなく、中に何かを入れることができるという点も特徴ですね。素材としての自由性があるというのは、大きな魅力だと思います。
デュバリ:確かにガラスなどで同じことをやるには、技術以上に場所や体力などの制約が大きくなりそうですね。ところでsuzu先生の創作活動のインスピレーションは、どこから湧いてきますか?
suzu:難しいですね。気がついたらふっと湧いてくるという感じです。
デュバリ:確かに、どこから来るのかわからないけれど、いつもそこにあるのがインスピレーションですね。ちなみに創作活動はいつ頃から始められたのですか?
suzu:実は絵画などの本格的なアート表現は、始めてからまだ2年くらいしか経っていません。ですから展覧会などに出品したり、色々な作品を鑑賞しながら、経験値を積み上げているところです。
デュバリ:キャリアに躊躇せず積極的に展覧会に参加するというのは、とても良い経験になると思います。個展をやろうとするとお金や時間、体力など、大量のエネルギーが必要ですが、グループ展であればすでに会場は用意されていますし、何より色々な人や作品と出会うことで大きく成長できますね。ところで、suzu先生が作品制作で一番幸せを感じるのはどんな時ですか?
suzu:作品のインスピレーションが浮かんだ時ですね。その時のワクワクするような気持ちは何ものにも代えがたいですね。逆に完成した時は、もっと色々できたんではないかと迷う気持ちになります。でも他の方々が見て喜んでくれると、少しずつ解放されます。
デュバリ:私もその気持ちはわかります。確かに完成した瞬間は、もっとやれたのではないかと不安を覚えますが、しかし次第に作品が自分から切り離され、独立していくことで、その気持ちが解消されていきます。ちなみにフランスでも、レジンでアートを制作する人が多くいます。
suzu:本当ですか? ぜひお会いしてみたいですね。
デュバリ:私の友人にも、ニスアートをレジンで表現するという取り組みをしている芸術家がいます。レジンにはニスとは違う透明性があり、厚みもあるので、とても面白い素材ですよね。
suzu:素晴らしい、聞いているだけでワクワクしますね。私からも質問してよろしいでしょうか。現在のフランスでは、どんなアートが流行しているんでしょうか?
デュバリ:やはりフランスでも常にアクリル画が主流ではありますね。絵画の伝統ということを考えると、油絵がベターではあります。しかし環境への配慮から、若い人ほどアクリルを好んでいるように感じます。
suzu:エリックさんの絵を見ましたが、とても輝きがあると言いますか、光沢があるように見えました。普通のアクリルの印象とは違うのでしょうか。
デュバリ:全体にニスでコーティングしているからでしょう。それとアクリル絵の具の中でも特殊なものを用いているからかもしれません。
suzu:そうだったのですね。あの存在感は、そういった特殊な性質や混色だったのですね。
デュバリ:suzu先生の絵は叙情的抽象画だと捉えています。特に様々な方向への動きが見える点に、入り混じる先生の感情が見えます。もう少し細い筆を用いると、印象派のようになるかもしれません。
suzu:なるほど、そういった観点もあるのですね。
デュバリ:今日お話を聞く前、私はsuzu先生のレジンアートについて色々と知りたいと思っていました。しかし実際に話してみて、suzu先生の「もっと良い絵を描けるようになりたい」「色々なものを吸収して成長したい」という向上心に満ちた若い精神に驚いています。もしよろしければ、ぜひフランスにお越しください。きっとsuzu先生をさらに成長させてくれる出会いがあると思います。
suzu:ありがとうございます。これからもレジンアートに磨きをかけていきたい、その先にまたお会いできるといいなと思います。