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© 2026 Ryuho Mizuki.
SCROLL
HALLE DES BLANCS MANTEAUX
2025/9/19 – 21
Ryuho Mizuki
水木流保
Ryûho Mizuki est un peintre japonais de style occidental et membre de la Japan-Europe Palace Art Association.
Il exprime, à travers la peinture à l’huile, sa gratitude envers la nature magnifique et son île natale, Yakushima.
水木流保は日本の洋画家。日欧宮殿芸術協会の会員。
素晴らしい自然、生まれ故郷・屋久島への感謝の気持ちを油彩画で表現する。
Œuvres exposées
展示作品
Scintillement de la vie de l’eau
水のいのち光る
Le village où je suis né·e et où j’ai grandi.
Près de la maison de mes grands-parents coule un petit ruisseau, toujours le même, inchangé.
Ayant passé dix-huit ans à Yakushima, j’ai appris à ressentir profondément la valeur de l’eau.
Quand j’y plonge mes mains ou mes pieds, je pense à mes ancêtres, à mes amis, à mes parents.
C’est un petit cours d’eau limpide et précieux, qui continue aujourd’hui encore à couler doucement et paisiblement, sans rien perdre de son essence.
私が生まれ育った屋久島の村。私の祖父祖母が暮らしていた家のそばを小川が流れています。今でも変わりません。
私は、屋久島で18年生活しましたので、「水」の尊さがよくわかります。
この川に手足をつけて先祖の皆さんのこと、友人たち、父母のこと想います。現在でも変わりなく水はサラサラと流れている小さな綺麗な川です。
Message de l’artiste aux spectateurs
La valeur de l’eau est précieuse, n’est-ce pas ?
Je souhaite que le monde soit enveloppé d’une eau pure,
et que les gens vivent en bonne santé et dans le bonheur.
作者から作品を見た方へのメッセージ
水の尊さ。大切ですね。世界が清らかな水に包まれ、人々が健康でお幸せでありますように願っています。
Cèdre de Yakusugi, toujours vivant (âge estimé à 5 000 ans)
今も生きる(樹齢五000年)屋久杉
Je suis né·e et j’ai grandi sur l’île de Yakushima.
Enfant, j’y ai vécu toutes sortes d’expériences.
J’ai notamment connu la violence des typhons, qui m’ont amené·e à réfléchir profondément à la nature.
Les “Yakusugi” sont des cèdres japonais qui ont vécu plus de mille ans.
Il est difficile de les représenter en peinture, mais j’ai essayé de le faire à ma manière, avec mes propres émotions.
Autant que possible, j’aimerais retourner sur l’île, me recueillir sur les tombes de mes ancêtres, et me reconnecter à Yakushima, cette terre qui m’a vu·e naître.
私が生まれ育てられた屋久島。小さい頃は、いろいろ体験しました。台風のおそろしさも体験し、自然のこと考えさせられました。
屋久杉は1000年以上生きてきた杉のことをいいます。 絵にするのはむずかしいけど、私なりの気持ちで表現しました。
できるだけ、お墓参りに行って屋久島にとけ入ってきたいです。
Message de l’artiste aux spectateurs
Je ne sais pas si j’ai vraiment réussi à exprimer l’esprit du cèdre millénaire de Yakushima, mais j’ai voulu traduire mes sentiments du moment.
Peut-être qu’il n’est possible de représenter véritablement le yakusugi qu’en en saisissant plus profondément toute la portée et l’âme.
作者から作品を見た方へのメッセージ
屋久杉として表現できているかわかりませんが、今の想いを表現したつもりです。
屋久杉は、もっと深くその気持ちがわかるようになって初めて表現できるのかもしれません。
Bruit de la pluie
雨音 AMANE
Un jour, j’ai pris la voiture et j’ai roulé environ une heure en direction des montagnes.
Lorsque je suis entré·e sur une petite route de campagne, j’ai vu des enfants rentrant de l’école.
Il y avait des flaques d’eau sur la chaussée, et je me suis mis·e à contempler lentement le paysage.
La pluie tombait en fine bruine, et les montagnes au loin, les flaques d’eau, les silhouettes des enfants marchant tranquillement…
tout cela se superposait à mes propres souvenirs d’enfance, lorsque je marchais sur ces mêmes chemins.
Cette sensation de nostalgie m’a donné envie de la peindre.
車で1時間ほどドライブして、私は山の方へむかっていました。田舎道に入った時。学校帰りの子供達、道路に水たまりがあり、ゆっくりと外をながめでいました。
雨は小雨で遠くの山々、水たまり、子供たちの歩いている姿が、自分が歩いていた姿と重なり、なつかしくて絵にしました。
Message de l’artiste aux spectateurs
Je trouve que la nature après la pluie a une beauté toute particulière.
作者から作品を見た方へのメッセージ
雨上がりの自然も、とても味わいがあると私は感じます。
Bonheur paisible
のどかな幸福
En observant des cygnes et en recevant des photos d’oiseaux de la part de proches, j’ai pensé au monde des oiseaux et à leurs familles.
Comme chez les humains : un père, une mère, des enfants unis, des proches qui se rassemblent… j’ai ressenti une forme d’amour dans leur univers aussi.
J’ai souhaité, en peignant cette toile, que les oiseaux aussi puissent vivre dans le bonheur.
白鳥を見たり、写真を知人にいただき鳥の世界の家族を想いました。
父母がいて、子供達仲よく、家族、友人知人が集まるように、鳥の世界の愛を想いました。
鳥たちも幸せであってほしいと、キャンパスに願いをこめて。
Message de l’artiste aux spectateurs
J’aimerais que les êtres humains, les animaux, les plantes — tous les êtres vivants — puissent vivre heureux.
作者から作品を見た方へのメッセージ
人間も動物も、植物すべてお幸せであってほしいですね。
Critique de la Japan-Europe Palace Art Association
Les couleurs de Ryûho Mizuki portent en elles l’âme même de Yakushima, son île natale. À la fois douces et affirmées, sobres et lumineuses, elles ne reproduisent pas un paysage : elles traduisent une sensation, un souffle intérieur. L’eau, la lumière et le temps qui s’écoule sur Yakushima s’enracinent profondément dans sa sensibilité, et trouvent leur écho dans la délicatesse silencieuse de ses compositions. Chaque teinte, patiemment façonnée au fil de ses recherches, enveloppe le regard sans l’envahir — elle invite, sans imposer. Et dans cet équilibre, le regardeur sent son esprit se tourner, presque malgré lui, vers l’avant. Le calme avec lequel Mizuki peint transparaît dans chacune de ses œuvres. Comme la nature, elle accompagne sans bruit, soutient sans s’imposer. Elle ne peint pas simplement Yakushima ; elle peint les émotions qui naissent quand ses couleurs entrent en résonance avec l’âme.
日欧宮殿芸術協会評
水木流保の色彩は、故郷・屋久島の空気そのものである。強くも優しく、凛としながらも柔らかい。その筆致は、景色を模写するのではなく、心に吹く風のように色で心象を描き出す。屋久島の水、光、そして時間の堆積は、彼女の内面に深く根を張り、それが静かな色彩として画面にあらわれる。試行錯誤を重ねながら辿り着いたその色は、観る者の心を押しつけがましくなく包み込み、目線を未来へと向けてくれる。穏やかな気持ちで描くという信条が、作品にもそのまま息づいているのだ。水木の絵は、自然のように寄り添い、声を発さずして、誰かの背中をそっと支える。屋久島を描いているのではない。屋久島の色で、人の気持ちが動き出す風景を描いているのである。
Compte rendu de l’exposition
展覧会の開催報告
URL du compte rendu de l’exposition
展覧会報告URL
2025年特別対談 水木流保×ゲルマー・トモコ
原風景を超えて語り継ぐ、生命と自然のかたち
ゲルマー・トモコ(以下 ゲルマー):本日はよろしくお願いします。水木先生の作品は、私たちの展覧会の中でもとても強い印象を残してくださっています。会場全体の空気が変わるような、存在感のある作品です。先生は、屋久島をテーマにした作品を多く描かれているのですよね。
水木流保(以下 水木):そうですね。多くの作品で屋久島をテーマにしています。私は屋久島の出身で、私が生まれた頃は、まだ島に電気が通っていませんでした。少ししてから電気が通るようになるのですが、それまではランプの明かりで生活していたんです。そのランプの光が、とても美しくて。五歳になる頃には、光の美しさというものを感覚的に理解していたと思います。母は学校の先生で、馬車に乗って学校へ行くこともありました。そうした屋久島での原風景や体験が、自然と作品になっていることが多いですね。
ゲルマー:現在の屋久島では、なかなか想像できない暮らしなのではないでしょうか。お話を伺っているだけで、作品に宿っている先生の記憶が伝わってくるようです。
水木:今とはまったく違いますね。でも、幼い頃の記憶は、目を閉じると今でもはっきり浮かんできます。食べ物が十分にある時代ではなかったので、野生の植物を採って食べることもありました。
ゲルマー:先生の作品がこれほど力強く、生命力に満ちている理由が、少しわかった気がします。特に、木や植物の描写からは、単なる風景ではなく、「生きている存在」として向き合っている感覚が伝わってきます。
水木:絵を描くときは、この木が何を感じているのか、水はどんな気持ちで流れているのか、そういうことを考えながら描いています。
ゲルマー:とても印象的な姿勢ですね。ベルリンにも木を大切にする文化はありますが、先生の描かれる木々は、寒冷地のそれとはまったく違う生命感があります。もっと根源的で、時間の重なりを感じさせるといいますか。
水木:この木も何百年、何千年と生きてきた存在ですから、それを守っていかなければならないという気持ちになります。それは木だけでなく、人間も同じです。今を生きた人たちの何かが、この先の時代にも残っていけばいいなと思います。
ゲルマー:まさに「生命力」という言葉がふさわしいですね。自然の在り方が違えば、そこから生まれる生命の表現も変わる。そのことを、先生の作品は雄弁に語っているように感じます。
水木:楽しく描く、ということも大切ですね。
ゲルマー:その「楽しさ」が、画面からしっかり伝わってきますよ。この作品の背景に描かれている森について、もう少しお聞きしてもいいですか。
水木:描いている木は山に囲まれた場所に立っていて、その中で空に向かって伸びる、何千年も生きてきた木に強く心を打たれました。この木を主役として描きたかったので、周囲の森はあえて小さく描いています。生きるということ、そのものを感じましたね。
ゲルマー:主役を際立たせるための構成なのですね。その判断が、作品に強い集中力を与えているように思います。現在も屋久島にはお住まいなのですか。
水木:今は住んでいません。お墓参りで毎年帰ります。
ゲルマー:では、今でも定期的に屋久島へ足を運ばれているのですね。
水木:そうですね。私が屋久島にお墓を建てたので、それだけはきちんと守らなければと思い、通っています。
ゲルマー:そうでしたか。制作は、実際にこの木の前でされるのですか。
水木:その場ではスケッチと写真ですね。屋久島は本当に自然が美しくて、木だけでなく、川も山も素晴らしいです。朝焼けや夕焼けは格別ですね。
ゲルマー:海外の方々も、その自然の違いにとても驚かれます。「こんな場所が本当にあるのか」と。こちらの作品に描かれている木は、樹齢どれくらいなのでしょうか。
水木:三千年ほどです。樹齢が千年に満たないものは屋久杉とは呼ばれず、「小杉」と呼ばれます。私が生まれ育った場所は、屋久島の中でも特に自然が豊かな地域で、海も川も見渡せて、二千メートル近い山もありました。自然はとても厳しいですが、その分、神聖さを感じますね。屋久鹿もいるんですよ。お墓の花を食べてしまうのは困りますけど。
ゲルマー:ベルリンにはイノシシや狐、ビーバーもいますが、屋久島の自然はまた別次元ですね。とても濃密で、圧倒的です。
水木:思わず深呼吸したくなる場所なんです。
ゲルマー:海があり、山があり、森がある。屋久島は海外でも知っている方が多いです。先日のフランス展でも、先生の作品は非常に強い印象を残していました。
水木:海外の方にも屋久島の魅力が伝わって本当に嬉しいです。たしかパリでは「水木流保」の名で出品していましたね。
ゲルマー:JEPAAでは全て「水木流保」先生として出展してくださっていますよ。作家名として「水木流保」を使われるようになったのは、いつ頃からですか。
水木:十年ほど前からです。すべての場で使うわけではなく、場所を選んでいます。ある日、夢の中で「あなたには二つの名前がある。『宮島』と『水木流保』だ」と言われたんです。それがきっかけで、この名前を使うようになりました。深く考える性格ではないので、「それもいいな」と思って。
ゲルマー:でも、そのお名前と作品が、とてもよく響き合っていますね。
水木:実際、水を描くのが好きなんですよね。透き通った水が大好きで、屋久島で水に潜って見た景色は、今でも脳裏に焼きついています。あの透明感を、どうしても描きたい。透明感は、私が一番大切にしていることです。
ゲルマー:やはり幼い頃の記憶が、作品の核になっているのですね。
水木:水を描くと、気持ちが落ち着きます。今の時代、水道水を当たり前に飲んでいます。私は井戸水を飲んで育ちました。きれいな水を体に取り込んでいた、という実感があります。だからこそ、きれいな自然や、古き良き営みを、どう未来につなげていくのかに強い関心があります。残っていってほしいですよね。
ゲルマー:それは、先生が生まれ育った場所が、あまりにも豊かな自然に満ちていたからこその思いですね。
水木:私が感じた感動を、未来の人たちにも感じてほしい。そのために、屋久島の自然を守る会にも入っています。
ゲルマー:それは素晴らしいですね。
水木:会に入っているだけで力になっているかはわかりませんが、会報を読んで、今の屋久島がどうなっているかを知ることはできます。屋久島の魅力は、離れてみると、より強く感じるんです。絵になるような場所は本当にいくらでもありますよ。
ゲルマー:それほど、描きがいのある場所なのですね。最後に伺いたいのですが、先生が絵を描くうえで、最も大切にされていることは何でしょうか。
水木:一つの画面の中に、「大・中・小」という三つの力点を必ず配置することです。その配置には特に神経を使います。
ゲルマー:なるほど。明確な構造意識をお持ちなのですね。
水木:まず、何を伝えたいのかを考え、その後で、この三つの力点をどこに置くかを決めて描いていきます。この作品では、枯れ木の部分に強い生命力を感じたので、そこに最も大きな力点を置きました。
ゲルマー:三つの力点があることで、見る側の視線も自然と導かれていく。この作品にある説得力の理由が、今のお話でとてもよくわかりました。今後、海外展で先生の作品を見られている方にそのことを早くお伝えしたいです。
水木:とても嬉しいです。見ていただける方の胸に届くような作品を描いていけるように私も頑張りたいです。
ゲルマー:本日お話を伺って、先生の作品の理解が何倍にも深まりました。原風景から制作の核心まで、貴重なお話を本当にありがとうございました。
水木:こちらこそ、ありがとうございました。
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