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Conversation/対談

2022年1月 根本美幸×ゲルマー・トモコ対談


根本美幸(以下、根本)
:はじめまして。トールペイント作家の根本美幸です。創作活動をしながら、名古屋にある主人のカフェの中で教室を運営しています。

ゲルマー・トモコ(以下、ゲルマー):本日は遠いところをお越しいただいてありがとうございます。今日も素敵なトールペイントの作品をお持ちくださったんですね。

根本:ありがとうございます。これは昨年の「日本ヨーロッパ北米3カ国合同交流展」に出展した作品の一つで、日本らしいものをということで羽子板をモチーフにしました。毎年お正月に飾ってほしいという思いを込めて、12支を描きこんであります。

ゲルマー:根本先生といえば、シャルロッテンブルク宮殿の展覧会では素晴らしい個展ブースを開いていただきありがとうございます。

根本:こちらこそありがとうございました。でも本音を言いますと、心から現地に行きたかったです。主人と2人で予定もしっかり空けておいたのに、本当に残念でした。

ゲルマー:私も素晴らしいベルリンをご案内できず、心残りに思います。救いは、しっかりとドイツの方々に根本先生たちの素晴らしい作品をみていただけたことですね。

根本先生の個展ブースはとても人気がありました。「トールペイントをこれほど本格的にやっている方はヨーロッパでもなかなかいない」と、来てくれた人はみんな喜んでいました。在ドイツ日本大使も来て下さったんですが、先生のブースにはとくに長くいらっしゃいましたよ。逆に先生側から見てドイツやドイツの人々の印象はいかがですか?

根本:実はポーランドに主人の仕事で滞在していたことがありまして、ドイツは陸続きだったので馴染みがあります。今は日本に戻っていますが、今度は息子がルクセンブルクに赴任したので、それを口実にまたドイツへ遊びに行ったりしていました。ドレスデンのきれいな街並みが好きでよくドライブに行っていましたね。ドイツの方は日本に比較的似ているとよく言われますが、確かに約束の時間どおりに行動する感覚など共通しているなと思います。
私の住んでいたのはシフィドニツァというチェコとドイツの国境に近い南西の町だったので、ドイツの方もよく来ていました。世界文化遺産(ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群)もあったので、観光客が多かったように思います。滞在中に現地の方々と交流するのも楽しかったですね。一緒に書道をやってみたこともあります。簡単に手本を書いて差し上げたら、それを自宅に飾っていらっしゃって私なんて書道の先生でも何でもないですから、ちょっと申し訳ないという気持ちになりましたね。ただ、それくらいヨーロッパの人は日本の文化に興味があるのだなと実感しました。ですから展覧会に出す作品を制作する時は、相手の国への敬意や日本文化への関心、トールペイントの良さなど、様々なメッセージをどう合わせたりしていくか入念に考えるようになりました。

ゲルマー:「日本ヨーロッパ北米3カ国合同交流展」にも、今日お持ち下さった作品の他にクリスマスの作品も印象的でした。根本先生の細やかなメッセージは海外でもしっかりと伝わっています。ただ海外では、日本の方がどうしてこんなに本格的なトールペイントを習得されているのか、すごく興味を持って聞いて来られますね。

根本:トールペイントを始めたのは25年くらい前、主人の仕事の都合でカナダに駐在していた時に知ったのがきっかけです。元々は油絵をやりたくてカルチャースクールに行ったんですが、たまたま予約がいっぱいで、代わりに隣でやっていたトールペイントの教室を覗いてみたら、面白そうだなと思って。教室の先生も偶然カナダの自宅の近所に住んでいたので、お家に通うようになって、すっかり夢中になってしまいました。

ゲルマー:私もトールペイントについて調べてみましたが、なぜだかドイツではほとんど教室などが開かれていないんですね。調べ方がちょっと間違っていたのかもしれませんが、トールペイントはドイツの人にとっては珍しいものなのかもしれません。

根本:元々トールペイントはヨーロッパ発祥で、それがアメリカに渡ってハンドクラフトとして普及していったそうです。トールはフランス語なので、ドイツでは違う名前で定着していたように思います。

ゲルマー:そうなんですね。調べてみて感じたのは、トールペイントはとても歴史があって奥深い文化だなということ、それでいて現代でも色褪せることなく進化しているなということです。そしてその現代で根本先生がそれをリードされていて、またヨーロッパに紹介されて現地の人たちを感動させていることに、大きなスケールを感じます。

根本:確かに私が今やっている手法も、伝統的なスタイルを踏襲しながら新しいことも取り入れているので、カナダともヨーロッパとも違うものになっているのかなと思います。

ゲルマー:ぜひ私たちもお伝え役として根本先生の世界観やトールペイントの魅力を広めていきたいと思います。海外への渡航が自由にできるようになったら、ぜひドイツにもお越しください。今日は貴重なお話をありがとうございました。

 


Solo exhibition/個展

根本美幸 特設個展ブースin 日欧宮殿芸術祭2021
会期:202164日~6
会場:シャルロッテンブルク宮殿(ドイツ・ベルリン)
主催:一般社団法人 日欧宮殿芸術協会
運営:クリエイト・アイエムエス株式会社

Miyuki Nemoto Special Exhibition Booth in the Japan-Europe Palace Art Festival 2021
Dates: June 4-6, 2021
Venue: Charlottenburg Palace, Berlin, Germany
Organizer: Japan-Europe Palace Art Association
Operated by: Create IMS Co.


Profile /経歴

根本美幸 Miyuki Nemoto

1959年 愛知県出身
Miyuki Paint Studio 主宰
日本手芸普及協会トールペイント部門認定指導員・准師範会員
作品出展国遍歴(JEPAA関連事業):ドイツ、フランス、イタリア、カナダ他

Born: 1959 Aichi, Japan
Miyuki Paint Studio president
Japan handicraft instructor’s association
Exhibition of Works(JEPAA): Germany, France, Italy, Canada…

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