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© 2026 Madoka Wakasa.
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作品一覧
- 麗しき悪夢 / Beautiful Nightmare
- ピルグリムー冥き裸体の縁取り / Pilgrim—The Dark Outline of the Nude
- 愁なき輪廻 / Sorrowless Samsara
特別対談
2025年日本フランス特別対談 若狹麻都佳×エリック・デュバリ
一挙手一投足で魅了する無限の表現世界
エリック・デュバリ(以下 デュバリ):はじめまして。若狹先生のオリジナリティ溢れる世界について、今日は、お話を色々と伺っていきたいと思います。
若狹麻都佳(以下 若狹):実は今日、エリックさんに私がこれまでやっていた世界を少しでもよく理解していただけるのではと思いまして、パフォーマンスをする準備をしてきたのですが、ここで披露してもよろしいですか?
デュバリ:本当ですか? ぜひお願いします。
(※パフォーマンス披露)
デュバリ:素晴らしい。本当に感動しました。
若狹:私1人ではこれくらいしかできないですが、言葉で説明するよりも世界観をわかっていただけたかなと思います。
デュバリ:即興ならではの素晴らしさがありました。素晴らしく豊かな表現、ポエティックな表現。日本語はわからないですが、音から伝わる情緒が胸に響きました。
若狹:ありがとうございます。歌の部分はシャンソン風にしてみたのですが、それが良かったのかもしれませんね。
デュバリ:対談のスタートから、素晴らしいサプライズです。ありがとうございました。
若狹:そういってもらえるととても嬉しいです。やる前まで色々と考えていましたが、勇気を出して良かったです。
デュバリ:今のパフォーマンスも、詩人・若狹麻都佳の作品の一つと捉えてよろしいのでしょうか?
若狹:はい。元々、演劇などの様々なイメージをすべて総合した表現をしていたので、詩も今のパフォーマンスも、自分の作り出すものの一部という認識です。
デュバリ:それを踏まえて、今回の作品についてもお話を聞いていきたいと思います。まずタイトルが「女神の痣」ということですが。
若狹:タイトルは、詩が完成してから付けました。幻想とか退廃的なイメージを表したかったということもありますが、その中に普遍的な時間や次元を感じてもらえるようにというのが、作品のコンセプトだったんですね。そんな構想を膨らませる中で、まず自分の詩の象徴となるものということで女神を思い浮かべました。次に、では「女神の何か」と考えたのですが、普通は「指先」「瞳」とかになるのかもしれません。でも眠っている時に、パッと「痣」という言葉が浮かんだんです。私が表現する世界は、日常生活を普通に暮らしつつも、どこかに普通ではない感覚をはらんで生きているという在り方で、それが痣という言葉で解釈できるな、と閃いたんです。
デュバリ:タイトルを考えてから制作する人もいれば、作品が完成してからようやくタイトルを考える人もいますね。若狹先生は詩を書いてからタイトルを考えたということですが、実は私も同じタイプです。気持ちはよくわかります。
若狹:理解してもらえるのはとても嬉しい。
デュバリ:ところで、このタイトルに入っている痣というのは、内出血などの傷のイメージですか?
若狹:どちらかといえば、先天的に、生まれながら肌についている斑などのイメージですね。生まれながらの宿命のようなものからの連想で辿り着きました。
デュバリ:そうだったのですか。痛みや苦しみなどをはらんでいる感じがしたので、すっかりそう思っていました。
若狹:いえいえ、その解釈も間違いではないんです。例えば、生まれながらにそんな痣があったら、それもまた苦しみとなりますから。
デュバリ:確かに苦しみと考えれば、その通りですね。いずれにしても、強い感情が根底にあり、それが創作の原動力になっていると感じました。詩を読んでいても、その強い感情からのエネルギーが感じられます。
若狹:そう感じてもらえるのは、作者としてとてもありがたいことです。
デュバリ:これはただ作品を鑑賞した感想というわけではありません。と言うのも、若狹先生ご本人から、非常に強いエネルギーが感じられるからです。パフォーマンスからもそれが伝わってきました。これは別々のものではなく、先生とパフォーマンス、そして詩が一つにリンクしたことで、より大きなエネルギーになったということです。
若狹:そうなんです。女神に痣というと違和感を覚える人も多いですが、私は、痣があることで、それを突き抜けてもっと大きな存在へと変わっていくと思えるんです。それこそがエネルギーになると。逆に私も、エリックさんの絵を拝見して、すごいエネルギーを感じました。発露する、その色合い、エネルギーに、根源的なパワーといったものが、私の頭の中に浮かび上がってきました。
デュバリ:ありがとうございます。私は表面的なものに止まらない、奥底から溢れ出てくるもの、その力に惹かれるんです。例えば、悲しげに見える景色の中にも、太陽は燦々と光を注いでくれているはずですよね。もしかしたら自分が見ていないだけだったり、もしくは雲に隠されているだけだったりするかもしれない。でも太陽自体が無くなっているわけではなく、どこかに存在しているはずですよね。だから、目に映らなくても、エネルギーなどが伝わってきたりすることはあると思います。私は芸術表現を通して、それを見つけたい、という思いがあります。
若狹:そう!目に視みえないものを視みる行為。確かに痣も醜いものですけれど、その中に秘められた何かを見つけることは大切ですよね。見つけられれば、そこから広がり視みえてくる世界があります。そしてそれを自分がどう表現するかに興味があるんです。
デュバリ:醜いものをただ醜いものと捉えるだけでなく、色々なものを網羅した上でどんなものが出来上がるかが大事ですよね。
若狹:そうですね、様々な角度から見ることによって、作品の全体を表現するということです。
デュバリ:ところで若狹先生は、すごく多様な表現をなさっていらっしゃいますね。詩や舞台、音楽など、何でもできる方ですが、もし「表現したい」と思った時、まず最初に選択される表現は何でしょうか?
若狹:まず最初に、という風に決まっているものはないと言いますか、どこまでを表現と定めていいかわからないんですよね。表現しようと思う前に、言葉の表現と共に自然と体も動いてしまいますから。それと私は詩を文学の枠だけでなく、広く芸術として捉えているので、ふっと浮かんだ幻影のような映像が、時に詩になることもあります。
デュバリ:シネステジーという言葉があります。音に色を感じるなど、複数の感覚が同時に起きる現象なのですが、私も創作するとき、言葉が色を持って浮かんでくることがあります。確かに若狹先生の言われるように、表現はそんなに整理整頓されたものではありませんよね。
若狹:そうですね、詩作をノートできっちりやる方も多いですが、私はパッと詩が浮かんできた時、その場にある紙になんでも書いてしまいます。
デュバリ:それは表現形態が同時に浮かんでくるからではないでしょうか。
若狹:そう思います。ただその場で完結するわけではありません。それは、自分が終わりを求めていないからなのかもしれません。
デュバリ:すごくよくわかります。私も絵を描く時、一種のトランス状態になりますが、ふっとここで終わりにしなくてはと思いつつ、まだ終わりにしたくないという気持ちが出てきて葛藤になるんです。
若狹:そう!トランス状態。その気持ち、私も全く一緒です!自分が本当はその作品を作っているつもりが、ある程度まで出来上がってくると、作品が語りかけてきます。作品との会話がそこから始まるのです。それが私たちを表現の高みへと導いてくれているのかもしれませんね。
デュバリ:全くその通りです。まだまだ話し足りません。もっと長く話したいですね。ぜひパリにも来てください。私たちには続きがあります。
若狹:メルシィ!ありがとうございます。またぜひお会いできることを楽しみに、続きはパリで…。
個展
特設個展ブースin 日欧宮殿芸術祭2024
会期:2024年4月20日~22日
会場:シャルロッテンブルク宮殿オランジュリー(ドイツ)
主催:一般社団法人 日欧宮殿芸術協会
運営:クリエイト・アイエムエス株式会社
経歴
若狹麻都佳 Madoka Wakasa
1959年秋田県生まれ。桐朋学園芸術短期大学卒。東北の文芸作品コンクール三席受賞、秋田現代詩人賞、黒澤明生誕100年記念生きる言葉展入賞、日本の美術審査員特別賞、国際女性栄誉賞、インド国際平和賞、英国王立美術家協会審査員特別賞、日欧宮殿芸術祭マルタゴールドメダル。
出版 /『それは白い雲の色をしていた』(潮流出版社)、『卵のきもち』(思潮社)、『片目に棲む鳩』(思潮社)、『女神の痣』(思潮社)。
現在 / 詩誌「密造者」同人、秋田現代詩人会会員、日本現代詩人会会員、日本文藝家協会会員、日欧宮殿芸術協会会員。




