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2019年特別対談 内田百合子×ハイケ・イェロミン

「日本と墺太利 自然愛で通じる芸術の心」

ハイケ・イェローミン(以下、ハイケ):この度はお話を伺う機会をいただき、誠にありがとうございます。内田先生は、押し花アートというジャンルを確立されているそうですね。

内田百合子(以下、内田):そうですね、今回の作品も、その技法を用いておりまして、タイトルを「地球温暖化(焼畑農業)」と申します。地球の温暖化というのは人類が招いたものであり、自然破壊―水の汚染や大気汚染などの影響があると思うのですね。そうした問題をテーマにして作品を作りたいという構想が以前からありまして、最近になってようやく形になりました。しかし、個人的にはまだまだ勉強不足、これからも日々勉強していかねばと思っています。

ハイケ:そのように謙虚な心持ちで取り組まれているということに、私自身は驚いています。内田先生はすでに素晴らしいキャリアをお持ちであり、私も実際にこの作品を改めて鑑賞したいと思っていました。やはり実物は良いですね。立体的な見栄え、材料の質感など、とても魅力的な世界観になっています。私は、とくに背景の色合いがとても好きです。

内田:ありがとうございます。制作時には、焼畑の、空に延びる煙の表現が難しくて、かなり苦心しました。

ハイケ:この制作には、どんな材料を使用されているのですか?

内田:基本的には植物や、植物に由来するものを使っておりますが、表現方法などによって様々な材料を使用します。この作品の草原も、当初は乾燥させた草を使いたかったのですが、色合いなどがあまり自分の描きたいイメージと合わなかったので、糸を使いました。

ハイケ:そのような柔軟な判断ができるというのは、とても重要なことです。ところで、こうした芸術を始めようと思われたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?

内田:実は以前、花屋をしておりまして、その時のお客様に押し花をやっている方がいらっしゃったのですね。その方から色々と教わってから自分でも制作するようになり、公募展に出展するようになりました。それから、良い先生方にもご縁ができまして、様々なアドバイスを受けながら、今日までやってきました。糸を使うようになったのも、そうして勉強している最中のことですね。植物素材の変色に泣かされながら、試行錯誤の中でたどり着きました。

ハイケ:先ほども、これからも勉強していくと言われていましたが、ものすごく悩み努力しながら、現在の表現を確立されたのですね。すでに確かな実績がある方が、現在もそのような姿勢でいるということには、本当に頭が下がります。どうでしょう、表現するものや、描きたいものについては、年月の経つ中で何か変化などありましたか?

内田:私は、純粋に思ったこと、感じたことを表現したいと思っています。それが、作品を見て下さる方に、素直な形で伝わるような表現ができることが理想ですね。

ハイケ:そういったスタンスがあればこそ、内田先生の自然な素材を使うという技法がより活き活きするのだと思います。実は私も、伝統的な油絵の技法から発展させて様々な表現に取り組んでいますが、その中で自然な素材を使うことにも挑戦しています。例えば特殊なニスを用いたことがあるのですが、これは人間が口にしても害がないくらい自然由来の成分でできているんですよ。だから、内田先生の表現には私も共感しますし、尊敬します。

内田:そう言っていただけると、私も嬉しく感じます。令和という年号に変わって、新たな節目と言われますが、私自身はこれからも自分の流れのままに押し花アートを続けていきたいですね。

ハイケ:ぜひこれからも自然を大切に、作品制作を頑張ってください。今日はありがとうございました。

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