2024年特別対談 公庄弘子×カトリン=スザンネ・シュミット
束縛を嫌い、心の赴くままに自由な表現世界を奏でる女流芸術家
シュミット: 公庄先生とは2022年にお会いして以来ですね。あの時は花瓶の作品も見せていただきましたが、とても色が美しいのでずっと記憶に残っていました。
公庄: ありがとうございます。光栄です。
シュミット: そういえば公庄先生の創作は、粘土の作品、絵画の作品など、さまざまにジャンルが変わりますよね。何かきっかけなどあるのでしょうか?
公庄: 以前のことなんですが、自分の枠に収まりたくない、「この人はこれ」という風に当てはめられたくないという反発心が膨らんでいた時期がありまして、その反動なのか、なんでもやってみたいという気持ちに駆られていたんです。ですから変わる時というのは、気持ちに左右されるところが大きいですね。例えば最近なら、コスモスの花を見かけて、美しいなと思ったんですが、そういう考えを大事にすることで新しい創作の気持ちにつながっていきます。でも一番は、深く考えすぎないことですね。
シュミット: ものすごく自由で束縛のない表現を求められているのは、そういった背景があったのですね。
公庄: でも私は独学で、芸術について特に専門的な教育を受けていないんです。もしアカデミックな教育を受けていたら、また全然違った方向性の表現をしていたかもしれません。
シュミット: 『友と私』という作品がありますでしょう? あれを見て、私はシャガールを思い出したんです。アカデミックでない自由な発想があってこその絵だと思います。それと公庄先生の絵で惹かれるのは、力強さですね。特に『Happy Joyful』という作品にそれを感じました。
公庄: 当時はまだ働いていたり、色々と難しい問題を抱えた状態でした。ですから仕事などの抑圧から解放された時の高揚感を作品にぶつけていたんです。だからこういう力強い作品になったんじゃないかしら。
シュミット: そして今回の作品は植物の作品です。表現の対象やスタイルをがらりと変えるのは、何か意図していることや計算があるのでしょうか?
公庄: いえいえ、そんなに深いことは考えていないですよ。今は年齢のこともあるので、とにかくゆっくりしたいな、とか、そういう心に浮かぶちょっとしたことに従っているだけですね。
シュミット: そういえば公庄先生は、先日のドイツの展覧会の時に現地まで来てくださいましたね。ありがとうございました。かなり予定が詰まったプログラムでご案内したので、大変でしたよね?
公庄: そうですね、大変でしたが、少しでも多くの良いものを見てほしい、ドイツを好きになってほしいという思いを強く感じました。だから私もそれに応えたいと思って、一生懸命吸収させていただきました。まだまだ今は取り入れたものを消化している段階ですが、それがこれから作品に表れていくのを楽しみにしているんです。
シュミット: 私も新しい作品にドイツの思い出が表れることを楽しみにしています。今日はありがとうございました。お互いに健康でまた会える日を楽しみにしています。

秋の草花