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Portfolio /作品一覧

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Interview article /対談記事

岡山裕美(以下岡山):出身が佐賀県になります。主人が今、福岡県に住んでいて、ゲルマーさんのご出身も確か福岡だったと伺いました。

ゲルマー・トモコ(以下ゲルマー):実は私の母が佐賀県の鳥栖出身です。そんな身近にお住まいだったなんて運命的ですね。ちなみに佐賀のどの辺りにお住まいだったんですか?

岡山:私は鳥栖の先にある鹿島の出身です。18歳までいました。それから看護師になって、結婚して、主人の仕事の都合であちこち日本中を回りました。その間にパッチワークを始めました。しばらくしてあらきかずこ先生からフリーレースを学んだことをきっかけに、自分の中でパッチワークとフリーレースを合わせた創作を始める構想が膨らんでいきました。

映画アラジンから「夢は叶う」Dreams come true

ゲルマー:今回お持ちいただいた作品も、パッチワークとフリーレースに基づくそうですね。よろしければ解説いただけないでしょうか。

岡山:このタペストリーはあらき先生が唯一誉めて下さった作品で、映画『アラジン』に着想をもらいました。中央部分は、アラジンのイメージで画面構成してありまして、見る方にアラジンを想像していただければと思います。左右の模様は、ペルシャなどの絨毯を表したものです。

ゲルマー:オリエンタルなイメージが膨らんでいて、素敵ですね。ドイツの展覧会でも人気だったんですけど、作品を鑑賞されている方がみなさん揃って聞いてくるんですよ、「これ、どう(やって製作)しているの?」って(笑)。どんな技術を使ったらこんな美しいものができるんだろうって、もう不思議で不思議でたまらないって顔をなさるんですよ。

岡山:私もあらき先生独自に開発された技法を使わせていただいているだけなんですが、でもそう感じて下さるのは、とてもありがたいですね。

ゲルマー:ドイツの人も、えーって言いながら見ていて。

岡山:フリーレースは縫えるような素材ではないですから、不思議に思われるんでしょうね。確かにこのタペストリーは縫うというより貼り合わせるようにして製作しているんです。あらき先生は、もともとガムテープなどを使いながらやられていたみたいですが、専門の業者さんと相談して、現在の技法にたどり着いたと聞いています。

ゲルマー:私もフリーレースについて調べていたら、あらき先生の記事を色々と拝見しました。この分野ではまさに第一人者と呼ばれるようなすごい方ですね。

岡山:そうですね。たくさんの影響を与えてくれている方です。ただあらき先生はテキスタイルアートの表現者なので、どちらかと言えばドレスなどのデザインを手掛ける人なんですね。私はタペストリーなど面での表現がやりたかったし、パッチワークキルトと合わせたいという構想もあったので、私は私で少し違う方向に進ませてもらっています。

ゲルマー:自分自身の創作を貫いた結果として、『アラジン』などの素晴らしい作品が生まれているのですね。私も何度か拝見させていただいていますが、曲線と素材の色の美しさが際立っていますね。

岡山:色とグラデーションでどれだけ想像力を掻き立てられるかが、このフリーレースコラージュの良さであり、難しさでもあると思います。その点はあらき先生からも厳しく指導を受けていますね。

ゲルマー:それにしてもこの作品の曲線の使い方は、まるで抽象画、モダンアートのようですね。素晴らしい技法だなと思います。

岡山:最初はあらき先生の指導のままにやっていたんですが、だんだん自分の表現をやりたくなってしまって、先生に相談してカンディンスキーの作品をフリーレースの世界で自分なりの解釈で表現するということをやったりしていました。あらき先生からは、その他に好きな映画から自分の想像力を働かせてフリーレースに起こしてみなさいと助言を受けたりしました。ただ、いざ自分1人でやってみようとすると、なかなかうまくいかなくて、その度に頓挫してしまうんです。とくに最後の出来の部分で足りないと言いますか、完成度が高まらなくて、たびたび試行錯誤していました。『アラジン』を製作する前年もかなり悪戦苦闘していましたね。だけどこの作品だけは、なぜだかスッとうまくいったんですね。あらき先生からも誉められたし、最初に出した展覧会でも評判が良かったと聞いています。

ゲルマー:カンディンスキーの作品は、ベルリンのシャルロッテンブルク宮殿で開催された展覧会に出品されたものですね。曲線と色で表現する流れや動きがとてもきれいで素晴らしかったです。

岡山:他にも、ゴッホの『ひまわり』をドレスで表現したこともあります。2014年ごろに製作した作品ですが、それを下の娘が結婚式のお色直しで着てくれたんですよ。

ゲルマー:それはすごく良い思い出ですね。

岡山:ただ、製作には体力が要るんです。想像力を膨らませて、まず一気に形を作り上げる。その後で何日もかけて構成を組み上げていく。やっている間は夢中になっていますけど、終わった後で大きな疲労が残ります。

ゲルマー:こんな美しいものを作るには、やはりたくさんの苦労があるのですね。最後になりますが、今後の構想、やりたいことなどあればお聞かせ下さい。

岡山:若い人にフリーレースコラージュを通して夢のあるものを作っていってほしいですね。想像力は若い人の方がありますから。素材に使っているリボンは安いものではないけれど、良さを知ってもらえればやってみたいと思ってくれるのではないかと思います。

ゲルマー:あらき先生から岡山先生が学んだように、岡山先生の技術と想像力の大切さを若い人たちに継承していってほしいですね。今日は本当にありがとうございました。


Solo exhibition/個展

 

岡山裕美 特設個展ブースin 日欧宮殿芸術祭2022
会期:2022年4月24日~26日
会場:ハル ドゥ ブラン マントゥ(フランス・パリ)
主催:一般社団法人 日欧宮殿芸術協会
運営:クリエイト・アイエムエス株式会社


Profile /経歴

岡山裕美 Hiromi Okayama

1952年生 佐賀県出身
師・あらきかずこ
日本手芸普及協会会員、日欧宮殿芸術協会会員
作品出展国遍歴(JEPAA関連事業):ドイツ、フランス、カナダ他

Born: 1952 Saga, Japan
Master: Kazuko Araki
Affiliate Group: Japan Handicraft Instructors’ Association,JEPAA
Exhibition of Works(JEPAA): Germany, France, Canada…

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